古文語彙36
第36回 たばかる・はかる・すかす・そらごと・やつる・やつす・さうぞく・なほし・かりぎぬ・さしぬき・すみぞめ・わたる・ありく・かち・しりぞくとぶらふ・おとなふ・よどむ・いさよふ・かたたがへ・つかはす・やる・おこす・ついで・たより
たばかる→源氏は平家を谷に追い落とそうと、たくらんだ、たばかりけり。
はかる→内々で企てたことが、ないないはかしりことが、もれてしまった。
すかす→幼い子をおだててなだめる、いときなき子をすかす。
そらごと→うその多い世の中、そらごと多き世の中。
やつる→たいそうひどく、めだたなくしていらっしゃる、やつれたまへり。
やつす→誰とも知らせないでひどく、質素な身なりになっていらっしゃる、やつしたまへり。
さうぞく→装束・宮廷内で寝起きするため、仕えるときの服を常に用いる。女性は裳、唐衣、男性は文官と武官で違う服を着た。
なほし→礼服ではない、ただ(直)の服という意味。スーツであり烏帽子をかぶり、指貫の袴をはいている。
かりぎぬ→狩りの時に着用したスポーツウェア。袖口等くくられていて動きやすい。狩衣では宮中には入れない。ズボンは指貫。
さしぬき→ズボン、裾のまりにひもが付いていて、はいてからひもを絞って足首でくくる。直衣でも使える。
すみぞめ→墨汁で染めること。喪服、僧の衣に用いる。
わたる→あちらに行く、あちらにわたる。
こちらに来る、こちらにわたる。
前を通る、前をわたる。
生きていく手段、世わたるたづき。
一面に晴れる、はれわたる。
恋し続ける、こひわたる。
ありく→歩く、ありく、あゆむ。
かち→歩いて参詣した。かちより、まうでけり。
しりぞく→氷が厚くて、漕いでも漕いでも後ろへ後退する、しりぞく。
とぶらふ→恩人の家にさあ、訪れよう、いざとぶらはむ。
おとなふ→懸樋のしづくが、音を立てる、おとなふ。
無人の家なので訪れる人は、おとなふ人は、いない。
よどむ→流れが順調に進まない、よどむ。
いさよふ→ためらい、たゆたう波、いさよふ波。
かたたがへ→陰陽道によると、行こうとする場所が忌み嫌うべきで、避けるべき方角(特定の方位神がいる)に位置している。そこで別の方角の家に行き、そこに一泊滞在してから、改めて目的の家に向かう風習。
つかはす→天皇がご自身で花を折って、姫にお贈りなさる、つかはす。
大使を外国に派遣なさる、つかはす。
やる→手紙を送る、やる。
おこす→手紙をこちらに送ってくる、おこす。
たより(手寄)→親が亡くなって、よりどころがなくなる、たよりなくなる。
機会のあるたびに、たよりごとに。
垣根の配置、垣根のたよりが趣深い。
ついで(次手・序)→料理には決まった順番がある、ついであり。
ちょうど良い機会、良きついでがあった。