古文語彙20
第20回 こころなし・こころあり・うらなし・こころにくし・にくし・はづかし
こころなし→桜の枝を折り取って持ち帰る、非常識で、思慮分別のない、こころなき人。
出家したので普通の喜怒哀楽の情を持たない、情趣がわからないはずの、こころなき身の私にも、秋の夕暮れの良さは感じる。
相手の身になって、何を望むかを考える事のできない、思いやりのない、こころなき娘。
ここらあり→世話になったことを忘れず、道理をわきまえた、こころある人は、まわりの目など気にせずに破産した私を助けてくれた。
葉の上の露が月の光で輝くのを見るとき、この良さをわかってくれる感受性を持った、こころある友人と別れたことを残念に思う。
うらなし(相手から見えない心は裏)→自分の心を隠す必要のない、心の隔てのない、うらなき親友との会話。
こころにくし→教養はもちろんのこと、憎らしく思えるほど深みがあって上品な振る舞いの、こころにくき女性が気にかからない男はいない。
にくし→忙しいときにやってきて長話をする客は、にくし。
いやな、にくき蠅。見苦しいぼろ屋は、にくし。
はづかし→成績はもちろん、顔かたちも自分よりすぐれている、はづかしと思える相手を前にすると、気詰まりで、はづかし。
はづかしげなり→こちらが恥ずかしいと思えるほどりっぱな、はづかしげなる様子。