古文語彙19
第19回 ことわりなり・うべなり・ひたぶるなり・すくよかなり・ふつつかなり・みそかなり・はつかなり・まほなり・かたほなり・あやにくなり・うちつけなり・なほざりなり・ねんごろなり・あらはなり
ことわりなり(事を割る・理)→不合格だった者が不正をして合格した者を、しゃくにさわると思うのは当然であり、ことわりなり。
ことわる→筋道を立てて、資産があれば信頼される理由を説明しわかりやすく、ことわられ納得する。
うべなり・むべなり(宜)→愛する二人が夫婦になろうとすることは、あるべき所に落ち着き、都合が良いと感じることであって、道理でもあり、むべなることである。
ひたぶるなり(一向)→親の言うことをひたすら、ひたぶるに守って手入れしたのに若い頃から抜け毛が多く、髪は、ひたぶるにない。
すくよかなり(直・健)→田舎者は無愛想でそっけない、すくよかなる者が多いが、まじめでしっかりした心根の持ち主も多く、すくやかなり。
ふつつかなり(太束)→野暮で格好も良くない、考えの浅い、しかも肥え太った、ふつつかなる男性どっしりしている。
みそかなり(密)→親に見つからないように、夜中にこっそりと、みそかに抜けだし遊びに行く。
はつかなり(初・僅)一面の雪原の切れ目から、わずかに、はつかに、生え始めた若草が顔をのぞかせる初春。
まほなり(真面・真秀)→完全にできあがった、まほなる作品。
かたほなり(片秀・偏)→未熟で不完全な、かたほなる作品。
あやにくなり(生憎)→仕事が忙しいときに、都合が悪いことに、折悪しく、あやにくに無視できない客が訪ねてきた。
うちつけなり(打付)→空海が大地に杖を立てると、だしぬけに、あっというまに、うちつけに温泉が噴き出した。
なほざりなり(直去・等閑)→いい加減に注意もせずに、なおざりに山道をドライブしたせいか、紅葉の美しさに気づかず通り過ぎた。
ねんごろなり(懇)→丁寧な、ねんごろな手紙の文面から、昔、熱心に語り合った親しく、ねんごろに交際していた友人の顔を思い出した。
あらはなり(顕・露)→高いところから見下ろすと、家々の中が丸見えではっきりと、あらはに見える。